NOTES

しろうと狩猟日記(6)

 銃の所有まで一通り終わったところで私は狩猟にかける情熱がさらに燃え上がり……はしなかった。
 正直なところ疲れた。「もういいかな? ゴールしてもいいんじゃない?」だなんて思い始めた。
 銃の所持を厳格化することで、不必要な銃の流通を抑制し、犯罪を未然に防止する、という警察の意図はよくわかるし、ほんとそれでいいと思う。でも一方で、狩猟においては銃を使われることが多いし有効であるために、ここまで厳格化してしまうと「そりゃあ猟師減るわ。イノシシとシカが暴れまわって農家に被害出るわ」と思ってしまう。まあ「鳥撃ち」やりたいとか言ってるヤツがなに言ってんのって話だが。

「狩猟開始まで時間があまりないから、とにかくいっぱい触ったほうがいいですよ。射撃場に行ってゼロインするのは当然やらなくちゃいけないし、ゼロイン以外でも行ったほうがいい」

 とは銃砲店の店主に言われていたことなので、同時期に狩猟を始めた知人とともに伊勢原の射撃場へと向かった。ひとりで行くほどの元気がなかったので知人を巻き込んだのである。これはモチベーション回復の方法としては意外と(私に)効く。
 ゼロイン、とは、30メートル、50メートル、などの距離を定めて、銃のライフルに表示されている中央の「+」(レティクル)にちょうどヒットするように調整することだ。
 ここで画伯(私)による解説図が唐突に登場!

射撃場にいたカエルは、ウチの庭に置いてあるカエルと同じだった……。

 重力があるので弾丸は「山なりに飛ぶ」ことが前提となっている。対して光は「直線」なので、50メートル先でちょうど、スコープと弾丸が一致するように調整しておくのだ。調整するのは「スコープ」側で、上下左右に動かすためのメモリがついている。
 撃つ対象が30メートル距離のことが多ければ30メートルにするし、70メートルだと――風の影響でなかなか当たらなくもなるが、70メートルでゼロインすればいい。ただし70メートルの射撃場はほとんどないかもしれない。
 ちなみに実弾を撃つのは、射撃場以外ではできないので、ゼロインを行うには必ず射撃場に行く必要がある。

 最初は未整備の状態でスタートするのでとにかく大変だった……。1メートル四方程度のベニヤ板が置かれてあるのだが、まずそこに当たらない。スコープ調整がどうのという次元ではない。

ゼロイン後のスコープさん……様

 銃は台座に固定して撃つのだが慣れていないと引き金を引くときに銃身がブレる。わずかにぶれるだけで50メートル先では数センチズレるので、ゼロイン調整ができない。結構難しい。あと横でどこぞのハンターチームがライフル(装薬銃)の調整をしていて爆音がすごい。マジビビる。ずがごーん、ぶほぁっ(風が出る)のコンボで引き金がまっすぐ引けない。ライフル怖い。
 なんとかかんとか苦労してスコープ内に着弾するころには空気銃内部の空気圧が下がっているので、エアポンプでシュコシュコやる。これがなかなかの重労働であり汗だくになる。息が切れると銃がブレるので息が収まるまで待つ……結構な時間(とカロリー)がかかった。
 スコープを雑に扱うとメモリがずれてまたゼロインをやりに来なければならない。私は誰に言われることもなく我が子のように丁寧に扱うことを決心していた。

 とはいえこれでようやく、実用に耐えうる状態になったと言える。

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