NOTES

しろうと狩猟日記(4)

 無事、初心者講習会を卒業した私だったが実はここからの動きが非常に鈍くなってしまう。「猟銃」を所持する場合は大きく分けて、

 1.散弾銃(ショットガン)
 2.空気銃(エアライフル)

 のいずれかを持つことになるのだが、散弾銃の場合はそのまま「教習射撃」(教習官立ち合いのもと、射撃場で練習する。実技試験みたいなものもある)に移る。だが私は空気銃志望だ(散弾銃は装薬銃なので火薬を使う。弾丸を家におくのはちょっとね、と嫁様に言われていた)。
 すると空気銃は、いきなり銃砲店に行って、どれを買うか決めて、所轄の警察に連絡して「所持許可申請」となるのである。
 ……正直、なにをどうしていいかわからない。困る。とりあえず自転車でも行ける距離にある銃砲店にお邪魔して話を聞いてみたら、「なにを狙うの?」とか聞かれ、答えにつまった。よくわからないのである。いろいろ話を聞いたが、結局自分がなにを買うべきかよくわからないまま終わってしまった。

 そんなこんなしていたら、3月に神奈川県猟友会主催のジビエパーティーがあり、そこに参加してきた。
 鹿肉うまい。イノシシ肉うまい。鹿のあばら部分をお土産にくれて、持って帰ってグリルで焼いたらこれもうまい。
 ……散弾銃もいいよな(四つ足狙いは散弾銃でやるのがふつう。弾丸は単発のスラッグ弾だけど)。
 こうなってくるとますますわからなくなる。わからないまま夏に突入してしまった。夏になるともう、その年の猟期には間に合わないだろう。銃の所持許可、県の狩猟免状試験、これらをこなしていれば猟期(11/15開始)に入ってしまうことになる。猟期前にもろもろ狩猟登録を済ませるのがふつうなので、2017年の猟期にはもはや間に合わないのだ。

 大いに反省した。「まだ先のことだ」とか考えていた自分に。正直、銃の所持許可申請で警察の身辺調査が入ったりするのが怖いとかはあった。でもどのみち通れない道だ。それを遠ざけていたせいで1年無駄にしてしまうのはなんとも愚かなことだった。

 ならば、まずは「狩猟免状」を取ってしまおう。そう決意して動き出し、8月中に精神科医の診断書(この人は麻薬とかやってませんよ~大丈夫ですよ~という内容)をもらい、狩猟免許試験に挑んだ。
 この直前に、猟友会主催の「試験対策会」みたいなのが必ずやっているので、是非とも参加しておいたほうがいい。私は空気銃(第二種狩猟免許)ではあるのだけど、銃砲店の人にも「どうせ受験するなら第一種を取っておいたほうがいいよ。第一種があれば第二種も使えるから」と言われ、第一種で受験するつもりだった。ただ第一種の試験には「散弾銃の分解組み立て」なんかがあり、散弾銃を触ったことがない自分にできるわけがないのである。その点、試験対策会に出ておけば実際の試験で使われるのと同じものを触らせてくれるので(というか当日の試験官が猟友会の役員なのだ)、十分対策できるのだ。

 ちなみに、試験当日で私は散弾銃の分解組み立てにしくじったが。
 対策会のときには簡単にできたのに!?(何度もやり直し可能でしかも試験官がアドバイスしてくれるのでその後無事にクリアした)

 試験対策で役に立ったのは、その猟友会主催の対策会と、銃砲店がくれた過去問である。対策会の申し込みは銃砲店でできるので、そこでいろいろ教えてもらえるので活用されたい(試験の申し込みは都道府県の管轄部署まで直接出向く必要がある。ほんとに面倒)。

 そして私は試験に合格した。望めば狩猟免許試験の点数は教えてもらえるらしいが聞かなかった。

 さあ、いよいよ銃の所持許可申請だ。

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